CIDR計算 CIDR Calculator
CIDR計算は「IPアドレス」と「プレフィックス(またはサブネットマスク)」を入力するだけで、「ネットワークアドレス」「ブロードキャストアドレス」「使用可能ホスト範囲」「サブネットマスク」「ワイルドカードマスク」「総ホスト数」「使用可能ホスト数」などを自動で算出できるツールです。CIDR表記による入力に加えて、IPアドレスとサブネットマスクの分離入力にも対応しており、リアルタイムで結果が更新されるため、ネットワーク設計や確認作業を効率的に行うことができます。
使い方
- CIDR表記(例: 192.168.1.10/24)を入力するか、「IPアドレス」「サブネットマスク」「プレフィックス」のいずれかを入力します。
- 入力内容に応じて「ネットワークアドレス」「ブロードキャストアドレス」「使用可能ホストの最小値と最大値」「総ホスト数」「使用可能ホスト数」「サブネットマスク」「ワイルドカードマスク」「IPアドレスの2進数」「サブネットマスクの2進数」が自動で表示されます。
CIDRとは?
CIDR(サイダー)とは、Classless Inter-Domain Routing(クラスレス・インタードメイン・ルーティング)の略で、現在のインターネットにおけるIPアドレスの割り当てと、経路制御(ルーティング)の基本的な方式です。
主な特徴
-
「クラスレス」な割り当て
- かつてIPアドレスは、「クラスA」「クラスB」「クラスC」といった固定的な単位(クラス)で割り当てられていました。
- CIDRはこのクラスの概念を廃止し、必要な規模(ホスト数)に応じて、より柔軟にIPアドレスのブロックを割り当てられるようにしました。
-
プレフィックス長による表記
- CIDRでは、ネットワークの規模をプレフィックス長(またはサブネットマスク)で示します。
- 表記法:
192.168.1.0/24- これは、IPアドレス(
192.168.1.0)の先頭から 24ビット 分が、個々のコンピューターではなく「ネットワーク全体」を示す部分(ネットワーク部)であることを意味します。 - 残りのビット(この場合は 32 - 24 = 8ビット)が、そのネットワーク内の個々の機器(ホスト部)を識別するために使われます。
- これは、IPアドレス(
CIDRの主なメリット
-
IPアドレスの効率的な利用(枯渇対策)
クラスという大きな縛りがなくなったため、例えば「50台だけコンピューターが必要」といった小規模なネットワークにも、無駄なくIPアドレス(例: /26 = 64個)を割り当てられるようになりました。これにより、IPv4アドレスの枯渇を遅らせるのに大きく貢献しました。 -
ルーティングテーブルの削減(経路集約)
インターネット上のルーターは、どこにデータを送るかの地図(ルーティングテーブル)を持っています。CIDRでは、複数の小さなネットワーク(例: 8個の /24)を、1つの大きなネットワーク(例: 1個の /21)としてまとめる「経路集約(スーパーネッティング)」が可能です。これにより、ルーターが覚えるべき経路情報の数が減り、インターネットの通信効率が向上しました。
CIDR表記
CIDR表記とは
CIDR表記とは、IPアドレスとネットワークの規模(範囲)を、スラッシュ(/)を使って簡潔に示す表記方法です。
IPアドレスの後ろに / とプレフィックス長と呼ばれる数値を付け加えます。
表記方法と例
構文: [IPアドレス] / [プレフィックス長]
例: 192.168.1.0/24
各部分の意味
1. IPアドレス部分 (192.168.1.0)
- そのネットワークに含まれるIPアドレス(通常は、その範囲の最初のアドレスである「ネットワークアドレス」)を示します。
2. プレフィックス長 (/24)
- これがCIDR表記の核となる部分です。
- IPアドレス(IPv4の場合は32ビット)のうち、先頭から何ビットが「ネットワーク部」(そのネットワークに属する機器すべてで共通の部分)であるかを示します。
- この例
/24の場合:- 先頭 24 ビットが ネットワーク部 です。
- 残り (32 - 24) = 8 ビットが ホスト部(ネットワーク内の個々の機器を識別する番号)です。
サブネットマスクとの関係
プレフィックス長は、従来のサブネットマスクを簡略化した表現です。
/24 は、「先頭から24ビットが1で、残りが0」のサブネットマスクを意味します。
- 2進数:
11111111.11111111.11111111.00000000 - 10進数(サブネットマスク):
255.255.255.0
つまり、192.168.1.0/24 と 192.168.1.0 (マスク 255.255.255.0) は、全く同じネットワーク範囲を示しています。
代表的なCIDR表記の例
| CIDR表記 (例) | プレフィックス長 | サブネットマスク | 総ホスト数 | 利用可能ホスト数 |
|---|---|---|---|---|
10.0.0.0/8 |
/8 | 255.0.0.0 |
約1677万 | 約1677万 - 2 |
172.16.0.0/16 |
/16 | 255.255.0.0 |
65,536 | 65,534 |
192.168.1.0/24 |
/24 | 255.255.255.0 |
256 | 254 |
192.168.1.0/30 |
/30 | 255.255.255.252 |
4 | 2 |
CIDR計算方法
CIDRの計算は、IPアドレスを2進数に変換し、プレフィックス長(/の後ろの数値)を使って「ネットワーク部」と「ホスト部」に分けることで行います。
ここでは、最も一般的な計算例として 192.168.1.100/24 を使って説明します。
計算の前提:2進数への変換
まず、IPアドレスとプレフィックスの意味を理解します。
- IPアドレス:
192.168.1.100- 2進数:
11000000.10101000.00000001.01100100
- 2進数:
- プレフィックス長:
/24- これは「IPアドレスの先頭から24ビットがネットワーク部である」ことを意味します。
- 残りの (32 - 24) = 8ビットがホスト部です。
これを2進数のIPアドレスに当てはめます。
[ 11000000.10101000.00000001 ]. [ 01100100 ]
<- ネットワーク部 (24ビット) -> <- ホスト部 (8ビット) ->
1. ネットワークアドレスの計算
計算方法: ホスト部のビットをすべて 0 にします。
- ネットワーク部:
11000000.10101000.00000001.(そのまま) - ホスト部:
01100100→00000000(すべて0にする) - 結 果 (2進数):
11000000.10101000.00000001.00000000 - 10進数に変換:
192.168.1.0
ネットワークアドレス: 192.168.1.0
2. ブロードキャストアドレスの計算
計算方法: ホスト部のビットをすべて 1 にします。
- ネットワーク部:
11000000.10101000.00000001.(そのまま) - ホスト部:
01100100→11111111(すべて1にする) - 結 果 (2進数):
11000000.10101000.00000001.11111111 - 10進数に変換:
192.168.1.255
ブロードキャストアドレス: 192.168.1.255
3. サブネットマスクの計算
計算方法: ネットワーク部のビットをすべて 1 に、ホスト部のビットをすべて 0 にします。
- ネットワーク部 (24ビット):
11111111.11111111.11111111. - ホスト部 (8ビット):
00000000 - 結 果 (2進数):
11111111.11111111.11111111.00000000 - 10進数に変換:
255.255.255.0
サブネットマスク: 255.255.255.0
4. ホスト数とホスト範囲の計算
これは上記1〜3の結果から導き出します。
総ホスト数
ホスト部のビット数(この例では8ビット)を使って計算します。
- 2ホスト部のビット数 = 28 = 256 個
利用可能ホスト数
総ホスト数から、特別な役割を持つ「ネットワークアドレス」と「ブロードキャストアドレス」の2つを除外します。
- 256 - 2 = 254 個
利用可能なホスト範囲
「ネットワークアドレスの次のアドレス」から「ブロードキャストアドレスの前のアドレス」までです。
- 範囲:
192.168.1.1〜192.168.1.254
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※このプログラムはPHP8.2.22にて作成、動作確認を行っております。
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