インフレ影響シミュレーション Inflation Simulator

インフレ影響シミュレーションは、「インフレ率(年率)」と「期間・日付」を入れるだけで、かんたんにお金の実質価値や給与の実質推移、家賃/ローンの実質負担を可視化できるツールです。インフレの影響を、数値とグラフで直感的に確認できます。
使い方
- 【基本設定】「インフレ率(年率, %)」「期間(年)」を入力します。期間に合わせて「基準日」「比較日」が自動で設定されます(必要に応じて手動変更可)。
- 【① かんたんインフレ換算】「名目金額(円)」を入力します。
➡ 「元本の実質的価値」「将来の名目金額」「購買力変化(%)」が表示され、棒グラフで“将来名目 vs 実質現在価値”を比較できます。 - 【② 給与チェッカー(実質賃金)】「月給(手取り)」「賞与(月数/年)」「昇給率(%/年)」「表示年数(年)」を入力します。
➡ 「将来の年収の実質的価値」「将来の年収の名目金額」「初年比の実質増減(%)」が表示され、実質年収(実線)と名目年収(破線)の推移が折れ線グラフで描画されます。 - 【③ 家賃/ローンの実質負担】「毎月の家賃/返済額(円)」「可処分年収(円)」「ローン金利(年率, %)」を入力します。
➡ 「実質負担率(初年→最終年)」「インフレメリット(負担率の低下)」「将来のローン返済額の実質的価値(年額)」「将来のローン返済額の名目金額(年額)」が表示され、インフレ下(実線)とゼロインフレ(破線)の負担率を比較できます。 - 数値は自動計算され、ウィンドウ幅の変更時もグラフは自動で再描画されます。必要に応じて「期間」や「比較日」を変更し、シナリオを素早く比較してください。
インフレ影響シミュレーションの機能
インフレ影響シミュレーションは、指定したインフレ率(年率)と期間/日付をもとに、 お金が名目(見かけの金額)と実質(購買力ベース)でどう変わるかを数値とグラフで可視化します。
- ① かんたんインフレ換算: 今の金額が将来どれくらいの価値かを、将来の名目金額と実質現在価値で一発比較(棒グラフ)。
- ② 給与チェッカー(実質賃金): 昇給率と物価上昇を同時に反映し、将来の年収(名目/実質)と初年比の実質増減を表示(折れ線)。
- ③ 家賃/ローンの実質負担: 名目固定払い(家賃・固定返済)のインフレによる負担軽減を、負担率と将来の返済額(名目/実質)で確認(折れ線)。
基本の考え方(名目と実質)
- 名目: 通貨単位の金額そのもの(例:100万円)。
- 実質: 物価(インフレ)で割り戻した購買力ベースの金額。インフレ率が年率 r、基準日→比較日までの年数 t のとき、CPI係数 ≈ (1+r)^t、実質金額 ≈ 名目金額 ÷ (1+r)^t。
画面構成と操作ステップ
1) 基本設定
- インフレ率(年率, %)を入力します。
- 期間(年)を入力します。期間に応じて基準日=今日、比較日=期間後に自動連動します(必要に応じて日付は手動調整可能)。
期間と日付は双方向連動します。期間を変えると比較日が動き、比較日を直接変えると期間が再計算されます。
2) ① かんたんインフレ換算
- 名目金額(円)を入力します。
- 以下が表示されます。
- 元本の実質的価値(比較日ベース)
- 将来の名目金額(インフレを乗せた金額)
- 購買力変化(%)=(実質/名目 − 1)
- 棒グラフで将来名目と実質現在価値を二本バーで比較できます。
3) ② 給与チェッカー(実質賃金)
- 月給(手取り)、賞与(月数/年)、昇給率(%/年)、表示年数(年)を入力します。
- 以下が表示されます。
- 将来の年収の名目金額=(月給×12+月給×賞与月数)×(1+昇給率)^年
- 将来の年収の実質的価値=名目年収 ÷ (1+インフレ率)^年
- 初年比の実質増減(%)
- 折れ線グラフで実質年収(実線)と名目年収(破線)の推移を比較できます。
4) ③ 家賃/ローンの実質負担
- 毎月の家賃/返済額(円)、可処分年収(円)、ローン金利(年率, %)を入力します。
- 以下が表示されます。
- 実質負担率(初年→最終年)=(年額返済 ÷ (1+インフレ)^年)÷ 可処分年収 × 100
- インフレメリット(負担率の低下)=「ゼロインフレ想定の負担率」−「インフレ下の負担率」
- 将来のローン返済額(名目/実質)(年額)
- 折れ線グラフでインフレあり(実線)とゼロインフレ(破線)の負担率を比較できます。
画面サイズを変更してもグラフは自動再描画され、数値は入力のたびに即時更新されます。
計算ロジック(やさしい数式)
- 期間: 基準日→比較日の年数 t(実日数差 ÷ 365.25)
- CPI係数: (1 + インフレ率)^t
- ① 換算:
- 将来の名目金額 = 名目 × (1+インフレ率)^t
- 元本の実質的価値 = 名目 ÷ (1+インフレ率)^t
- 購買力変化(%)= (実質/名目 − 1) × 100
- ② 給与:
- 年収(名目)= (月給×12+月給×賞与) × (1+昇給率)^年
- 年収(実質)= 名目年収 ÷ (1+インフレ率)^年
- 初年比の実質増減(%)= (実質年収_最終 / 実質年収_初年 − 1) × 100
- ③ 実質負担:
- 年額返済(名目)= 毎月×12(固定前提)
- 年額返済(実質)= 名目年額 ÷ (1+インフレ率)^年
- 負担率(%)= 実質年額 ÷ 可処分年収 × 100
- メリット(ポイント)= ゼロインフレ時の負担率 − インフレ下の負担率
活用例
- 家計の将来設計:5〜10年スパンで、給与の実質推移と家賃負担の軽減度合いを同時に確認。
- 住宅購入の検討:固定返済が実質的にどれだけ軽くなるかを数値とグラフで把握。
- 昇給交渉の目安:インフレ率と実質賃金の増減から、必要な昇給率の感覚を掴む。
- 教育・留学費用の見積り:将来の名目必要額と現在価値の差を理解した上で貯蓄計画を調整。
よくある質問・注意
- 昇給率とインフレ率の関係:昇給率がインフレ率を下回ると、名目の増額があっても実質は目減りします。
- ローン金利の入力:名目固定返済をベースに実質負担を見ます。金利は注記・比較用(変動返済や再計算は別機能で対応可能)。
- 近似の前提:CPI係数を「(1+インフレ率)^年」で近似。厳密なCPI系列で評価したい場合は指数データの取り込みが必要です。
まとめ(最短手順)
- インフレ率と期間を入力(基準日/比較日は自動設定)。
- ①で名目金額を入れて、将来名目と実質現在価値を棒で比較。
- ②で月給・賞与・昇給率を入れて、将来の年収(名目/実質)と実質増減を確認。
- ③で家賃/返済額・可処分年収を入れて、実質負担率とインフレメリット、将来の返済額(名目/実質)を確認。
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注意事項
このツールは無料でご利用いただけます。
※このプログラムはPHP8.2.22にて作成、動作確認を行っております。
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