Customs Duty for Commercial Imports

商業輸入の関税計算

商業輸入の関税計算は、「商品価格」「送料」「保険」「為替レート」「関税率」を入力するだけで簡単に法人・章l業の輸入関税が計算できるツールです。

使い方

  1. 「商品価格」「送料」「保険」「為替レート」「関税率」を入力します。
  2. 「CIF価格(円換算)」「課税価格」「計算方法」「関税額」「消費税額」「合計税額」が表示されます。

商業輸入の関税計算方法

商業輸入では個人輸入の「60%ルール」は使用しません。CIF(Cost + Insurance + Freight)の100%を課税価格として積み上げ計算します。

前提と準備

  1. HSコードの確定(関税率は品目で異なる)
  2. 原産国と税率区分(WTO/暫定、EPA・特恵など)
  3. インボイス価格(商品本体、外貨)
  4. 運賃保険(日本到着地まで、外貨。保険不明時は本体の0.3〜1.0%を仮置き可)
  5. 税関公示レート(円/外貨。申告日の公表値)

加算要素(必要に応じて課税価格へ加算)

  • 容器・包装費、売手側手数料
  • 無償提供の型・金型・設計費等(アシスト)
  • 特許・商標等のロイヤリティ、再販売代金の逆送分

計算フロー(従価税の標準)

  1. CIF(円換算)
    CIF_JPY = (商品価格 + 運賃 + 保険) × 公示レート
  2. 課税価格(関税課税標準)
    課税価格 = CIF_JPY(商業輸入は100%)
  3. 関税額
    従価税:関税額 = 課税価格 × 関税率(%)
    従量税:関税額 = 数量 × 単価税率
    複合・選択税:告示どおりに計算
  4. 輸入消費税額(消費税+地方消費税の合計)
    輸入消費税 = (課税価格 + 関税額 + 物品別内国税) × 消費税率
    標準税率は10%(食品等の軽減対象は8%)
  5. 合計納付額
    合計税額 = 関税額 + 輸入消費税

端数処理

実務では円未満切捨て(関税・輸入消費税とも)。ツールでは切捨て/四捨五入/切上げの選択を用意してもよい。

計算例(従価税・標準税率)

前提商品120、運賃25、保険0(外貨)/為替160 円/関税率8%/消費税率10%
CIF(120+25+0)×160 = 23,200円
課税価格23,200円
関税額23,200×0.08 = 1,856円(切捨て)
輸入消費税(23,200+1,856)×0.10 = 2,505.6 → 2,505円(切捨て)
合計税額1,856 + 2,505 = 4,361円

従量税・内国税がある場合の流れ

  1. 関税(従量)=数量×単価税率
  2. 物品別内国税(例:酒税・たばこ税・石油関係諸税)を個別に算出
  3. 輸入消費税=(CIF + 関税 + 各内国税) × 消費税率
  4. 合計=関税 + 輸入消費税(+必要に応じて追加関税)

よくあるミス

  • 国内区間の運賃まで含める(日本到着地までが対象)
  • 保険・運賃を0で固定し課税価格が過少になる
  • EPA税率を選択しながら原産地証明を添付しない
  • 軽減税率対象品を10%で計算する
  • 端数処理が画面表示と会計計上で不一致

用語の要点

  • CIF:本体価格+国際運賃+保険を円換算した金額
  • 課税価格:商業輸入ではCIFの100%(加算要素を含む)
  • 輸入消費税:課税価格と関税等に対する消費税。許可通知書は仕入税額控除の証憑

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注意事項

このツールは無料でご利用いただけます。

※このプログラムはPHP8.2.22にて作成、動作確認を行っております。
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