Google VPNとは?Google VPNは終了?無料で使える端末や代替手段・おすすめVPNも解説

Google VPNとは何か|まずは仕組みをやさしく解説

Google VPNとは、Googleが提供するVPN(仮想プライベートネットワーク)機能の総称です。主に2つのタイプがあり、ひとつは「Google One VPN」、もうひとつはPixel端末に組み込まれた「Google VPN」です。名前は似ていますが、仕組みや使い方に大きな違いがあります。

まずVPNの基本的な役割は、インターネット接続を暗号化し、通信の安全性を高めることです。カフェやホテルなどの無料Wi-Fiを使うとき、通信内容が第三者に盗み見られるリスクがありますが、VPNを通すことでそのリスクを減らせます。個人情報やクレジットカードの情報を守るためにも重要な仕組みです。

Google One VPNは、Google Oneという有料ストレージプランの一部として提供されていました。AndroidやiOS、Windowsなど幅広い端末で使える無料のVPN機能として2020年から登場し、日本では2022年から利用できるようになりました。特徴的なのは、ユーザーのプライバシーを守るために「ブラインド署名」という仕組みを使っている点です。この技術によって、Googleがユーザーのネット利用履歴を識別できないようになっています。

一方、Pixel端末の「Google VPN」は、Pixel 8シリーズなど一部の機種に標準搭載されています。こちらはGoogle Oneとは別の扱いで、Googleのクラウドインフラを活用しながら、端末レベルでセキュリティを強化できる設計です。例えば、自宅のWi-Fiなど安全なネットワークでは自動的にVPNをオフにすることができるなど、節電や利便性にも配慮された仕様になっています。

また、Google VPNの通信は「端末からVPNサーバーまで」が暗号化されます。その先、つまりWebサイトやアプリに届く部分の通信は暗号化の対象外になるため、すべてのリスクがゼロになるわけではありません。ただし、公衆Wi-Fiを安心して使いたい方には十分な効果があります。

このように、Google VPNは手軽に使えてプライバシー保護の意識が高いサービスです。とくに節約志向の方にとっては、無料で使える安全対策のひとつとして魅力的です。対応端末を選ぶ必要はありますが、うまく活用すれば月額課金のVPNサービスに頼らずに済む可能性もあります。

Google One VPNの提供終了とその背景

Googleは、Google Oneの加入者向けに提供していたVPNサービス「Google One VPN」を、2024年6月10日をもって終了すると発表しました。この決定は、多くのユーザーにとって突然のニュースであり、とくに無料でセキュリティを高めたいと考えていた節約志向の方にとっては重要な転換点となります。

Google One VPNは、クラウドストレージなどの特典が含まれる「Google One」の一部として提供されていたサービスです。スマートフォンやPCなどに専用アプリを入れることで、公共のWi-Fiなどでも通信を暗号化し、安全にインターネットを利用できるよう設計されていました。特に、ブラインド署名という先進的な技術を使うことで、ユーザーの識別情報がVPN通信と結びつかない仕組みが特徴でした。

しかしGoogleは、公式のヘルプページにて、サービス終了の理由として「利用率の低さ」を挙げています。当初は多くの利用を見込んで提供されたサービスでしたが、実際には思ったほど活用されていなかったようです。特にPixelシリーズでは、Google One VPNとほぼ同等かそれ以上のVPN機能が標準搭載されるようになってきており、役割が重複していた面も否めません。

また、Google One VPNを使うには専用アプリのインストールが必要であり、VPNのオン・オフも手動で切り替える必要がありました。こうした点が、使い忘れや手間につながり、継続的な利用を妨げていた可能性があります。

影響を受けるのは、Pixel端末以外でGoogle One VPNを利用していた方です。Pixel 8以降の端末では、VPN機能がシステムに組み込まれており、アプリなしでも使えるようになっています。さらに、Pixel 7シリーズも2024年6月3日のアップデートにより組み込み型VPNに対応する予定です。このため、Pixelユーザーの多くは今後もGoogleのVPNサービスを無料で利用できます。

一方、他社製のスマートフォンやパソコンでGoogle One VPNを活用していた方は、今後別のVPNサービスを検討する必要があります。無料または低価格で安全に使えるVPNを探すことが、節約とセキュリティを両立させる鍵になります。信頼できる代替手段の選定が今後の課題となるでしょう。

Pixel端末で使えるGoogle VPNの現状

Google One VPNの提供終了が迫るなか、Pixel端末では新たなVPN機能が標準搭載されており、引き続き無料で安全な通信環境を維持できます。とくに節約を重視する方にとっては、サブスクリプションなしで使えるという点が大きな魅力です。

Pixel 8以降の機種には、Google VPNがOSレベルで組み込まれており、設定からワンタップで有効化できます。従来のGoogle One VPNとは異なり、専用アプリを別途インストールする必要がなく、操作も簡単です。通信の暗号化は端末からGoogleのVPNサーバーまで自動で行われ、カフェや空港の無料Wi-Fiでも安心して利用できます。

さらに、Pixel 8シリーズでは、特定のWi-Fiに接続したときに自動でVPNをオフにできる「信頼できるネットワーク設定」も用意されています。これにより、自宅や職場など安全な環境ではVPNを無効化して通信を軽くし、バッテリーやデータ通信の消費を抑えることができます。VPNが常時オンだと無駄に電力やデータ容量を使ってしまうため、こうした自動制御機能は節約を重視する人にとって重要なポイントです。

一方、Pixel 7シリーズ(7、7 Pro、7a、Fold)では、2024年6月3日のアップデートによって同様の組み込み型VPNに対応予定です。これにより、Google One VPNの終了後も追加料金なしでVPNを利用し続けられます。アップデート後はPixel 8とほぼ同等の機能が使えるようになる見込みです。

なお、これらの機能はすべてGoogleのクラウドインフラをベースにしており、通信速度や安定性にも優れています。高価なVPNサブスクに頼らずとも、Pixel端末さえあれば十分にセキュリティを確保できるのが大きなメリットです。

節約しながらも安全にスマホを使いたいと考えている方にとって、Pixel端末はコストパフォーマンスに優れた選択肢と言えるでしょう。端末の買い替えを検討している場合は、VPN機能も視野に入れて選ぶと、将来的な出費を抑えることにもつながります。

Google VPNが使えない人のための代替手段

Google VPNが使えない場合でも、安全な通信環境を確保する方法は複数あります。節約を重視しながらも安心してネットを利用できるよう、無料・低価格で使える信頼性の高いVPNを活用しましょう。

Google Fiを活用する方法(※上級者向け)

Google FiはGoogleが提供するモバイル通信サービスで、対象プランではVPNが標準で組み込まれています。通信内容は自動的に暗号化され、公衆Wi-Fiでも安全な通信が可能になります。

ただし、日本国内では正式提供されていないため、利用するにはアメリカでの契約や専用の設定が必要です。日本語サポートもないため、ある程度ITに慣れている方向けの選択肢となります。

信頼性の高い無料VPNアプリを使う

もっとも手軽で現実的なのは、スマホのアプリストアから無料VPNアプリを導入する方法です。以下は、節約志向の方にもおすすめできる代表的な無料VPNです。

  • Proton VPN
    スイス発の高評価VPN。無料でも通信速度が比較的安定しており、ログを一切残さない方針が特徴です。広告表示もなく、信頼性が高いサービスです。
  • Atlas VPN
    セキュリティ機能が充実しており、無料版でも使いやすいUIが好評です。通信制限はありますが、短時間のWi-Fi利用などには十分対応できます。
  • Windscribe
    月10GBまで無料で使えるうえ、国別サーバーを選べるのが特長です。広告ブロック機能も搭載しており、節約との相性が良いサービスです。

無料VPNを選ぶ際は、以下の点に注意しましょう。

  • 利用者情報を勝手に収集しないか(プライバシーポリシーを確認)
  • 広告の頻度が過剰でないか
  • 通信速度があまりに遅くないか

月額数百円で利用できる格安VPNも選択肢に

少しでも快適に、かつ広告なしで使いたい方は、月額数百円から始められる格安VPNサービスも検討する価値があります。特に以下のサービスはコスパが高く、節約志向の方に適しています。

  • Surfshark
    月額300円台から利用可能。複数端末で同時接続できるため、家族や複数デバイスを使っている人に最適です。
  • PrivadoVPN
    無料プランもありますが、有料でも安価で広告なし。シンプルで使いやすく、必要最低限の機能で十分という人向けです。
  • NordVPNのセール時プラン
    通常は高価格帯ですが、セール時には大幅割引されることがあります。長期契約を前提にすれば、実質月額100円台に抑えることも可能です。

自分の使い方に合ったVPNを選ぶ

VPNは「無料だから安心」「有料だから安全」とは限りません。自分の用途(例:Wi-Fiをよく使うか、動画視聴もするか)や端末の性能に合ったサービスを選ぶことが重要です。

節約を第一に考える方は、まず無料VPNで使い心地を試し、必要に応じて格安の有料VPNに切り替えるのがおすすめです。余計な通信料やトラブルを防ぐためにも、安全性とコストのバランスをしっかり見極めましょう。

VPN・VPNアプリ・VPNサービス比較

順位サービス名運営会社ポイント本拠地月額料金最低価格年額料金最低価格無料体験VPNサーバー台数VPNサーバー設置国数対応OS同時接続台数ノーログポリシーサポート日本語対応月額料金の安さ年額料金の安さVPNサーバー台数VPNサーバー設置国数セキュリティの充実総合公式
1位NordVPNNordVPN圧倒的なサーバー台数・サーバー設置国の多さで安定・高速通信パナマ1960円10350円○30日間6327台以上111カ国Windows、macOS、Linux、Android、iOS、Chrome、Firefox、Edge、tvOSベーシック:6(プラスワン:10、コンプリート:無制限)ライブチャット、メール1.852.583.044.803.733.20公式サイト
2位MillenVPNアズポケット日本国産のVPNで使い勝手抜群。月額396円と料金も激安日本1738円7128円○30日間1300台以上72カ国Windows、macOS、Android、iOS10台メール2.393.601.412.892.792.62公式サイト
3位SurfsharkSurfsharkセキュリティ機能が充実。サーバー台数も多く通信は安定オランダ2308円5856円○30日間3200台以上100カ国Windows、macOS、Linux、Android、iOS、Chrome、Firefox、Edge、tvOS無制限ライブチャット、メール1.003.992.074.245.003.26公式サイト
4位PIAPrivate Internet Access業界1位、2位を争うサーバー台数で高速通信。料金も格安アメリカ1304円4359円○30日間30000台以上91カ国Windows、macOS、Linux、Android、iOS、Chrome、Firefox、Edge無制限ライブチャット、メール3.304.445.003.783.013.90公式サイト
5位ExpressVPNExpressVPN無制限のプレミアム帯域による高速通信。ルーター利用のVPNが可能英領ヴァージン諸島1943円14976円○30日間3000台以上105カ国Windows、macOS、Linux、Android、iOS、Chrome、Firefox、Edge8台ライブチャット、メール1.891.002.004.493.012.48公式サイト
6位CyberGhostCyberGhost S.R.L.高速通信にこだわったVPNサービス。115カ国にサーバー設置し、高速通信が可能ルーマニア1790円12000円○45日間6800台以上115カ国Windows、macOS、Linux、Android、iOS、Chrome、Amazon7台ライブチャット2.272.023.085.002.853.04公式サイト
7位PureVPNPureVPN20Gbpsの高速通信が可能。料金も安くコスパ良し香港1643円6732円○31日間6500台以上70カ国Windows、macOS、Linux、Android、iOS、Chrome、Firefox10台ライブチャット、メール2.633.723.052.822.853.02公式サイト
8位Glocal VPNグローカルネット日本国産のVPN。目的によってプランが選べる。中小企業利用も可能日本990円9350円○7日間100台以上15カ国Windows、macOS、Linux、Android、iOS1台メール3.812.931.001.151.502.08公式サイト
9位セカイVPNインターリンク日本国産のVPN。設定がほぼ不要のセカイブラウザが利用可能日本1100円13200円○最大2カ月10カ国Windows、macOS、Android、iOS、Chrome3台メール3.631.611.001.001.001.65公式サイト
10位RAKULINKDIRECT PROVIDER年間契約なら費用が安い。お得なキャンペーンがあるモンゴル1950円14400円○1週間Windows、macOS、Android、iOS、Amazon、ルーター1台メール1.871.201.001.001.501.32公式サイト
11位スイカVPNMAJ Tech日本国産のVPNサービス。土日祝日対応、同時接続数50台と多い日本1097円11258円○30日間45カ国Windows、macOS、Android、iOS50台メール3.632.271.002.061.792.15公式サイト
12位Proton VPN PlusProton AG10GbpsサーバーとVPN Acceleratorで高速接続スイス823円9880円○30日間4461台以上91カ国Windows、macOS、Linux、Android、iOS、Chrome10台メール4.072.742.513.782.183.06公式サイト
13位IPVanishIPVanishWireGuardで高速接続。同時接続数も無制限で使い勝手が良いアメリカ1949円5999円○30日間2400台以上90カ国Windows、macOS、Android、iOS、Chrome、Amazon、ルーター無制限ライブチャット、メール、電話1.883.951.793.732.462.76公式サイト
14位VyprVPNCertida信頼性抜群のVPNサービス。中国、ロシアも対応可能スイス1500円9000円○30日間700台以上70カ国Windows、macOS、Android、iOS5台ライブチャット、メール2.973.041.212.823.062.62公式サイト

無料Wi-Fi利用時の注意点とVPNの必要性

カフェや空港、ホテルなどで提供されている無料Wi-Fiは便利ですが、セキュリティ面では大きなリスクも伴います。節約を重視する方ほど無料Wi-Fiを活用する機会が多くなりがちですが、その裏に潜む危険性と、それを防ぐための対策を知っておくことが重要です。

無料Wi-Fiにはどんな危険があるのか

無料Wi-Fiの多くは、パスワードなしで誰でも接続できる「開放型ネットワーク」です。このタイプのWi-Fiは、通信内容が暗号化されていないことが多く、次のようなリスクがあります。

  • 通信内容の盗み見
    第三者が通信を傍受し、SNSのログイン情報やクレジットカード番号などを盗み取る可能性があります。
  • なりすましアクセスポイント
    正規のWi-Fiと見せかけた偽物のWi-Fi(例:Free_WiFi、Starbucks_Guestなど)に接続させ、個人情報を抜き取る手口も存在します。
  • ウイルス感染や不正アクセス
    ネットワーク上の他の端末からマルウェアが送り込まれたり、スマホやパソコンが乗っ取られることもあります。

これらは特別な知識がない一般利用者でも、被害に遭ってしまう現実的なリスクです。

節約しながらセキュリティも守る考え方

VPN(仮想プライベートネットワーク)を使えば、無料Wi-Fiを利用しても通信内容が暗号化されるため、上記のようなリスクを大幅に減らせます。VPNはインターネット上に「自分専用のトンネル」を作るイメージで、通信の中身を第三者が読み取れなくする仕組みです。

ただし、高性能なVPNサービスの多くは有料であり、節約を意識する方にとってはコストの問題がネックになることもあります。そこで重要になるのが、「無料でも信頼できるVPN」を賢く選ぶことです。

  • 完全無料でも安全性が高いVPNを選ぶ
    広告なしで実績のあるVPN(Proton VPNやWindscribeなど)を選ぶことで、費用をかけずにセキュリティ対策が可能です。
  • 月額数百円の格安VPNをうまく活用する
    長期プランやセールを活用すれば、月100円台で優良VPNを使えることもあります。年間で見てもセキュリティ保険と考えれば、コストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
  • 必要なときだけVPNを使う
    公共Wi-Fiの利用時にだけVPNをオンにする運用で、無駄な通信や電池消費を抑えることも可能です。

VPNを使うことで得られる安心感

VPNを導入するだけで、以下のような安心を得ることができます。

  • SNSやネットバンキングのログイン情報を守れる
  • フィッシングサイトや偽Wi-Fiへの接続を回避しやすくなる
  • 情報漏洩のリスクが減ることで、安心して外出先でも作業や買い物ができる

セキュリティを軽視して被害に遭った場合、失うものは金額以上に大きくなることがあります。節約を意識するからこそ、「無料Wi-Fiを安全に使う仕組み」は不可欠です。

無料VPNから始めて、無理なくセキュリティ意識を高めていくことが、節約と安心を両立する第一歩です。

まとめ|節約と安心の両立にGoogle VPNは使えるか?

Google VPNは、費用を抑えつつもインターネット上の安全性を高めたい方にとって、有効な選択肢となり得ます。特にPixel 8以降の端末を使っている場合は、追加料金なしでシステムに統合されたVPNを利用できるため、サブスクリプション型VPNのような月額費用をかけずに済みます。

Pixel 7シリーズのユーザーも、アップデートによって組み込み型のGoogle VPNを使えるようになるため、今後も無料でセキュアな通信環境を維持できます。端末の買い替えや乗り換えを検討している方は、VPN機能の有無も判断材料にすると、トータルでの通信コスト削減につながります。

一方、Google VPNが利用できない端末を使っている方でも、無料または格安のVPNサービスを活用することで、セキュリティ対策を低コストで実現することは可能です。Proton VPNやWindscribeなど、安全性と実績のある無料VPNを上手に選べば、追加費用をかけずに通信内容を暗号化できます。

節約志向の方が重要視すべきポイントは、「無料であるかどうか」だけでなく、「本当に必要なときに安心して使えるかどうか」です。外出先の無料Wi-Fiをよく利用する方にとって、VPNの有無は情報漏洩リスクを大きく左右する要素となります。

セキュリティに過剰なお金をかける必要はありませんが、無防備な状態で通信するのは避けるべきです。Google VPNを中心に、用途に合ったサービスを選び、コストと安全のバランスを意識することで、節約と安心の両立が実現できます。